“2010年1月27日にAppleがiPadを発表し、今年は「電子出版元年」ということになっている。
しかし一方で、ネット上で有料の電子出版で儲けることは容易ではないと見られている。「ペニーギャップ」(1セントの壁)という言葉があるように、「タダ」のものと「有料」のモノには大きな壁があるからだ。
ここで思い出していただきたいのは、昔、無料のMP3の音楽ファイルが山ほど出回っていた時にはネットでの音楽販売を儲かる事業にするのは極めて困難と思われていたにも関わらず、AppleがiPodやiTunes Storeを発表して、音楽を儲かるビジネスに変えてしまったことだ。
また携帯電話上でも、月300円程度のサービスを結構簡単に申し込んでしまい、そのままになっているということはよくある。心当たりのある方も多いのではないだろうか。
つまり「ペニーギャップ」なるものの正体は、「課金やインターフェイスの取っ付きにくさ」だと考えられる。どんなによさそうなコンテンツでも、それ1冊を買うためだけに、わざわざクレジットカード番号を登録し、ダウンロードの方法を覚えるのは非常に面倒だ。それ以前に、そもそもクレジットカード番号を入れて良い安心できる業者なのかどうかにも悩まないといけない。街の本屋で本を買うならレジで数十秒で済むところが、ネットで最初にコンテンツを買おうと思ったら、上記のような検討も含めて数時間かかってしまうだろう。”
しかし、一旦、iTunes Storeや携帯電話の自動引き落としの登録をしてしまえば、1セントと言わず300円くらいのものでも、どんどん買ってしまうのである。数回クリックするだけなら、わざわざCDショップや書店に出かけて行くより格段に壁が低いからだ。
つまり、ネットのコンテンツ販売で鍵になるのは、販売の「プラットフォーム」を構築するということだ。1度プラットフォームが出来てしまえば、上述のとおり、顧客は他のプラットフォームに乗り換えるのが非常に面倒になる。ユーザー数が圧倒的に増えれば、使い方を知っている人も他の人に教えやすくなり、ユーザー数トップのプラットフォームがさらに雪だるま式にユーザー数を増やすということになる。
プラットフォーム側のコスト構造から考えても、サービスの開発費がユーザー数で薄まっていくので、ユーザー数が多いところが、より使いやすいサービスをより安いコストで提供できることになる。
このため、こうしたコンテンツのプラットフォームは、自然に世界でせいぜい2-3社の寡占状態、または独占状態になっていくものと考えられる。
アゴラ : iPad対Kindle、勝負あり。そして出版の未来。 - 磯崎哲也 (via semi) (via yuco) (via ginzuna) (via pedalfar) (via visionclip)
“ 産業革命が多くの手工業者、労働者を不要にしたように、デジタル情報革命は多くの情報流通業者を不要にしようとしている。 ”
Tech Wave : 電子書籍、電子新聞による業界再生は絶対にありえない (via jinon) (via otsune)